ArcGISで教師付き分類をおこなう

    教師付き分類とは、見本に合わせて分類する方法で、見本さえしっかりしていれば、ほぼ全自動で画像処理を行い見本に準じて分類してくれます。例えば、衛星写真から植生の分布図を作ったり、オルソフォトから家屋などを自動抽出する場合などに使えます。

    ArcGIS単体では教師付き分類を行えないようなので、教師付き分類を行うためにはSpatialAnalystというエクステンションが必要となります。お金のある人は、ImageAnalysisでも良いです。

    1. 分類したい画像を配置します。
      ここでは「航空写真.img」とします。
    2. ArcCatalogを使って、空っぽのシェープファイルを作成します。フィーチャタイプはポリゴンにしてください。
      ここでは、shapeファイルの名前は、とりあえず「教師分類pol」とします。
    3. 「教師分類pol」をArcMapに追加します。
    4. 「教師分類pol」の属性テーブルを開き、フィールドを追加してください。
      ここでは「bunrui」という名前の整数フィールドにします。
    5. 「教師分類pol」を編集し、現地調査の結果や植生図、航空写真、衛星画像などを使って、状態を確実に判読できる場所を囲みます。その判別した種別毎に、「bunrui」の値を変えてください。例えば、道路だったら1、河川だったら2、森林は3、農地は4、家屋は5など。
      先生がダメだと生徒が上手く分類してくれませんので、分類が上手くいかないときは、この囲み方をトライ&エラーで修正してください。たとえば、家屋と一括りに言っても屋根は色々な色がありますし、均一な植生の森でも日陰と日向では色合いが異なります。そのため、各属性の分類には適度な数のポリゴン(というかシグネチャ)が必要となります。
    6. 後の工程で必要な、シグネチャ(拡張子がgsgのファイル)を作ります。
      ArcToolbox > Spatial Analystツール>多変量解析 >シグネチャの作成
      『入力ラスタバンド』>「航空写真.img」
      『入力ラスタ、またはフィーチャサンプルデータ』>「教師分類pol」
      『サンプルフィールド』>「bunrui」
      『出力シグネチャファイル』>「out.gsg」
    7. 最尤法(さいゆうほう)による教師付き分類を行います。
      ArcToolbox > Spatial Analystツール>多変量解析 >最尤法分類
      『入力ラスタバンド』>「航空写真.img」
      『入力シグネチャファイル』>「out.gsg」
      『出力分類ラスタ』>「分類済み航空写真.img」
    8. 完成
      「教師分類pol」で指定した分類に色分けされた「分類済み航空写真.img」が出来上がりました。
      できあがりが予想と違っている場合には、トレーニングエリアの設定がいまいちな可能性がありますので、手順3に戻ってやり直してください。

    ただし、一発で上手くいくことは無いと思いますので、教師なし分類を参考にしたり、リモートセンシング画像の場合はNDVIなどを組み合わせたりすると良いかと思います。

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